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母と清張

Posted by 彩子 on 31.2011 日々色々 0 comments 0 trackback
政界の黒幕として
けもの道を生きる事を選んだ女性。

松本清張の【けものみち】の放映に偶然出くわし
思わず見入った。
昭和57年頃の作品である。


小説は読んだことなかったけれど、
母が見ていた清張のテレビを一緒に見た記憶がある。

名取裕子の悶え顔。
母と見るにはふさわしくない描写だった。



性に対する興味、好奇心だけは強かった自覚がある私だったが
卒業後、ゼミの先生に処女を捧げてからは
一度もセックスの経験がなかった。

そんな、
性愛さえろくに知らなかった頃。
老人がどうやって若い女を淫らにさせるのか、
布団の中で、どんな営みがおきているのか
想像さえ出来なかったけれど
母と一緒に見るには気まずかった事を覚えている。
父と離婚した母と、兄貴と三人で住んでいた頃だ。

私にはあの《ドラマ》は、
若い頃の、母との気まずさを思い出させるものだった。



女学生の母は旧帝大を受験して失敗した。

《 女やけん、浪人やらせんでよか 》

そんな親の一言で通った所は、
そこ一本でも充分な大学だった。


確かに頭が切れ、どんなことにも詳しい母は
茶の道以外は、本をいつも熱心に読んでいた記憶がある。
娘の私から見た母は、
賢く身持ちがよく、堅い女だった。

そんな母から
父との結婚においては
性生活が苦痛だったと言わんばかりの話を聞いたり、
兄と私の他に二人の子供の堕胎があった事実を知った時はショックだったし、
だから母の方から父にパイプカットを頼んだ話からも
又、母はセックスを厭がっていたこと、
又、妊娠しやすい身体という事も父から聞かされていた。


あのドラマを母と見たのは、
もう父と母が別れた後の頃だ。


あの母があの様なドラマを見てたんだ、と今思うと
そういう意味で言えば
やっぱり母も女だったのか、
それとも、
本好きで清張もよく読んでいたそのテレビ化で見ただけ、
その中にあった性的な場面だったのか。




次の日、朝早く仕事があったのに、
先に寝た夫をよそに
深夜、私はテレビをこっそりと見た。


濡れ場に、私は少し湿り気を感じながらも
深夜の放映で、
終われば眠気が立ち、
夫の隣に敷いた布団に滑り込んだ。


翌日は夫が遅いことが分かっていたので、
二話は録画しておいて、
独りの時に見た。



彼にもこの事を話したら、
中学の時に、エッチな文章に興奮しながら読んだのを覚えてると
返事が来た。


おませな中学生だったのね、と返したら
清張の本は中学の時に殆ど読んだという。



そう言えばこの前、
そんな彼と
夜のけものみちで繋がってたな。


時を得て見たのも、タイムリーだった。



蛇足だけど、
一番抉られた台詞


《 君はただ道具として生きればいいのだ 》




あのニヒルで冷血な男が
低音で囁く声はたまらなかった。






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