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前列

Posted by 彩子 on 24.2017 女色 0 comments 0 trackback
博多から乗り込んだのぞみ。


前列には
後ろから見た感じ、中年カップル。
そして
私が一人後ろの席に座ったのを確かめるような
視線を感じた。


なんとなく、
前のお二人が気にかかる私って…。


時折、男性は声をあげて笑う。
女性の声はあまり聞こえない。


後ろの席からも
二人は夫婦ではないだろうって想われた。

駅がいくつか過ぎ、
楽しげな様子が想像されてたのが
隣り合う二つのシートの隙間はなくなり
顔を寄せ合い、静かになっている。



私は 本を読んだり、
うとうとしたり、
車窓を眺めたり…。


そのうち、
彼女が上の棚から荷物を降ろしているのが
目の端に止まった。
そして、
ふたりは一緒に席を立っていた。


どれくらい時間が経ったのか分からなかったけど
男性が一人戻ってきた。


私にとって心ざわめく駅で、
彼女ひとり、降り立っていたと気付いたのは
暫くしてからだった。


あぁ、そうだったのか…。
だから彼女の方が
通路側に席をとっていたんだ。
ふたり連れの時は、
女性に窓側を譲る事が多いのに、
なんて想ってたけど…
私の想像は的中した。


遠距離だったんだ…。

男性は何処で降りるんだろう。



新神戸駅過ぎた辺りで、
車内販売のお姉さんから、
なにやら飲みものなどを買っていた。
新大阪より東なんだろう。



私が150キロほど離れた恋愛をしていた頃は、
大概、彼人が車で迎えにきてくれた。
一度だけ、西の方へ遠出をして、
新幹線の駅で別れて、
帰った事があった。


それからはもう、
走馬灯のように頭の中を
なつかしくせつない想いが通り過ぎていった。



あぁ、こういう逢瀬もあるんだって…。



忘れてた女ごころが
胸をちくんと刺した。




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