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母のプライド

Posted by 彩子 on 24.2020 日々色々 0 comments 0 trackback
年末年始のこと。



昨年引いた風邪も治りかけながら
慌ただしさの中
年始に迎えた長男一家は
全員風邪を引いていて、
ご丁寧にも私は又風邪を貰った状態で
今度は母のもとへ帰省。



母は体調も落ち着いていたけど
認知症と鬱症状は至って健在だった。



探し物だらけで
宝探しをしに帰省した様なもの。
もう笑うしか無いって。



それでも
母は杖を付きながらも
電車乗り継ぎ
一緒に天満宮へお詣りをした。
足腰はしっかりしているのだ。

どちらかと言うと
徘徊をする様になるのではと…。



私は御籤を引き
母は御守りを欲しがった。



2020012017532186a.jpeg




私の引いた御籤を見て
『 なかなか良かこと書いてあるけん
持って帰んなさい 』

と、時々母親ぶる。


そのくせ
自分の買った御守りは
冷蔵庫にしまっていた(泣)



この前は
無くして作り直したばかりの前歯の入れ歯を
冷蔵庫に置いてたね。
それも又無くしてしまった母は
もう入れ歯は要らんと、
口元がくしゃくしゃで
紛れもなくおばあちゃんの顔である。





私がこちらに戻る日、
昨年から行き損なってた美容院に
どうしても行きたいと言う。


そこは私も娘の頃からの行きつけの美容院で
場所は変わったものの、
オーナーさんは変わらず
私もとても懐かしい所だ。
母は電車に乗ってでも
一人で時々行っている。

老人ホームに入る前に
住んでいた自宅近くでもあるし
もっと言えば、
母の実家の目の前にある店である。

何十年も行きつけたところは
ちゃんと辿りつけるのである。

それでも
私の顔を見たら弱気になったのか
甘えたいのか
一緒に付いて行って欲しいと言った。

そのくせ
前の日天満宮にお詣りに行った時は
杖を付いて出かけたのに、
母にとっての地元の美容院に行く段になると
杖は持っていかんと言う。

『 誰に会うか分からんけん 』…
母なりのプライドが
元気にさせているのだろう。



母の安否確認の為もあり
昨今では
オーナーとはLINEのやりとりやら
電話で話をしていたけど、
37年ぶり?の再会に
彩子ちゃん、変わらんねぇって
懐かしいやら嬉しいやら。


母は
カットに白髪染めにパーマまでかけると言い
3時間半もよく座っていられたものだった。


私はその間母に言いつけられた、
通帳の記帳やら、
痩せてこれまでのズボンがぶかぶかになり
ベルトを無くして見つけられずに
着物の帯締めを腰に巻き付けてたのが哀れで、
ベルトを買いに走った。


わざわざ天神まで出なくても
ちょこちょこと婦人服を扱う店も近所にあり
私はたまたま目に入ったブティックに入ったのだ。


そこはもう何十年も開いていたらしいのに
私はこれまでそこに気づくことも無かった。

ひょんなことから
其処は母の実家をよく知る地元の方で
感じのいいオーナーさんだった。
私は不思議なご縁を感じながらお喋りをして、
肝心のベルトも万能タイプを選んで下さり
とても気持ちの良い買い物をした。


それから
母がお茶を教えていた頃まで
50年近いお付き合いのあった和菓子屋さんも
しばらくぶりに覗いてみた。



明かりが付いているのに店は閉まっていて
どうしたものかと思っていると
後ろに停まったバンの中から声をかけられた。
和菓子屋に卸す、最中の種屋さんだった。


この方も気の良い旦那さんで
店主が戻るまで
立ち話をして待っていた。


初対面なのに自然と話が合った。
私と同い年で、
やはり私の実家と繋がりのある方だった。


不思議なご縁を感じ
やっぱり地元は良いなぁと
妙に里心が付いた。


戻ってきた和菓子屋のご主人も懐かしがられた。
この時期ならと羽二重餅を
母へと夫へのお土産に分けて貰った。



母の美容院が終わる3時間半は
未だ時間を持て余した。


私はふと思い立ち
御数珠も用意していなかったけど
結果、母の弟が一足早く入ってしまった
納骨堂へお詣りにも行った。
其処は母が早々に自分で用意している納骨堂でもある。


お土産に夫の好きな地元の明太子を買って
多分お腹を空かせただろう母に
おにぎりも買って美容院に戻った。



母は私の顔をまじまじと見て
あんたも髪切ってもらったとね?とか
未だ帰っとらんかったとね?などと
平気な顔して宣うた。

私は苦笑しながらも
いつまでも綺麗でいたいと思う母に
未だ未だいけるかな?と勝手に希望を持った。


そう言えば
老人ホームにある図書室から借りたと言う
本を熱心に読んでいた。
歴史好きらしい母が選んだのは
司馬遼太郎だった。
私は手に取ったこともないジャンルである。
ちなみに購読しているのは日経新聞。
私よりもよっぽど世事に詳しい。



それから私は
『 独りで帰りきる 』と言う母を電車に乗せて
バタバタと新幹線に乗った。



いつものことながら
やれやれと
座席に着くなり缶麦酒を開ける。

まるでオッサンの様にね…。



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