FC2ブログ

健気

Posted by 彩子 on 22.2012 日々色々 8 comments 0 trackback
抱くことも、頬ずりすることもできなかったけれど、

小さな男の子は、

管を通されて、

NICUのベッドに眠っていた。




年子の上のおねえちゃんが、
何もわからず、はしゃぎ、愛嬌を振りまくのが救われて、 
一層、今の深刻さを際立たせた。



お嫁ちゃんは
上の子を抱きしめ、
無意識に付く、夥しい数のため息で
これからの不安が見てとれる。


お嫁ちゃんのお母さんが、
入院と共に、
上の子の世話に駆けつけてくださる。
息子の世話もしてくださっているのだから、
夫と二人、すぐ近くのホテルにツインの部屋を用意する。



三人でお話もあるでしょうから、と
むこうのお母さんの気遣い、
何より、息子自身が私たちと話をしたがっていた。

見舞ったあと、
三人で囲む食事は
これからの病状、生活設計、上の子の保育園を含めての段取り、と
とても、新しい命の誕生の、お祝いモードには程遠かった。
お酒が入ったこともあったし、
三人だけの席ということもあって、
息子は酔ってぽろりと本音を覗かせる。
私たちがよく知っている、馴染んだ顔を見せる。

息子の、
糸がぷつりと切れてしまわないかと思うほどの、
あまりに健気な、その頑張りに胸が痛くなる。
私たちでしか出来ない事で、応援するから・。
あまり気負わないでいこうよ・。


ホテルで一泊して、
むこうのお母さんにべったりになった孫ちゃんに
夫は少しさみしい顔を見せながら、再度病院に寄る。


可哀想に、
お嫁ちゃんは、親なのに、
一般の面会者と同じ時間帯でしか
我が子を見ることが出来ないのだ。


NICUで、お嫁ちゃんと一緒に、
管につながれたままの赤ん坊を撫でる。


まだ、抱っこもできないんです・・
小さい・・

お嫁ちゃんのぽろりと零した言葉が
小さな赤ん坊と対照的に、
ずっしりと耳の奥に残る。



もう一方で、

せっかくこちらに来たのに、
未だ意識戻らずの父の見舞いはできなかった。
父の奥さんに無礼を申し訳なく思いながら、
やはりこの度は行けなかった。
夫と一緒に見舞う、ということはできなかった。
夫はいつだって、私たちの結婚が決まる前から、
私の母の味方、だったから。

帰りの新幹線は
二人共、疲れ果てて、
それぞれに席を取り、ビールとお弁当を食べて少し眠った。




孫ちゃんは、日一日と、
小児外科の術後も、心配をよそに、
少しづつ、生命力を強くしてくれている。
もうひとつの方が気がかりながら。

そしてやっと呼吸器は外され、
数CCの母乳を経口で摂取し、
息子からのメールで、
初めて泣き声を聞いたよ、と聞かされた。


うぶ声は大きくあげたらしいが、
息子たちにとって、
我が子の声は、初めて聞いたのだ。


そして、

今日初めて抱っこできました
ちっちゃくて、軽くて、でも嬉しかった

と、お嫁ちゃんが知らせてくれた。



小さな孫ちゃんの
治療方針も定まっていないところもあるし、
二転三転する医師の言葉に、
息子たちは不信感を拭えないところもあったようだし、
私だって、同じことを思っていた。


そんな時、
心配してくれてた兄貴からメールが届く。




生まれたばかりというのに、大変な試練に耐えている〇〇くん。

詳細な病態と治療内容の説明と予後の見通しは
しっかり聞いて、理解納得しておくことです。

とりわけ、母親は責任をひとりで抱え込んでしまうので、
みんなで支えることです。

現実的には予後は決して予断を許さないけれど、
そのことはまだ彼らには言わないでおくのがいいでしょう。

手立てはまだまだいくつもあるということも又事実だから。
悲観ばかりする必要はありません

いろんな情報に一喜一憂するでしょう。
冷静さを彩子のご亭主が持っているのが一番いいでしょうね。





冷静で、慎重な言葉をくれた。
読みながら、泣きそうになった。


そう。
希望をもって。



すこしづつ、
大きくなあれ。



○ Comment

このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012.08.23 17:39 | | # [edit]
わたしの教え子にも、小さい頃病を抱えても、今元気に活躍している子達がいます。
子供の生命力は無限大です。
これからをわたしも信じています。
わたしも色々、心配なことは深く深く調べてしまうのですが、心配なことは、意外にそれほどにはならないことが圧倒的に多いです。

彩子さんも、そうなりますように。
この震災を乗り越えて生まれてきたこと、とても感謝です。
彩子さん、しっかり休んでお体だけは大切にしてくださいね!
2012.08.23 19:21 | URL | 紗々 #- [edit]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012.08.23 19:56 | | # [edit]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012.08.26 09:55 | | # [edit]
ありがとうございます。

メールの拝見しました。
希望が見えてきました。 救われました。
感謝します。
2012.08.27 23:14 | URL | 彩子 #- [edit]
今、若い世代と共にある現役先生からの言葉は説得力あって、
力をいただきます。ありがとう。

そしてそれは、福島で生きる貴女の言葉だからこそ。

しっかり休むどころか、
私はいたって元気で、申し訳ない程変わりない毎日を過ごしています。
自分って結構前向きだったって、この歳になって今この時だからこそ、
実感しています(笑)
2012.08.27 23:20 | URL | 彩子 #- [edit]
いつもの貴女らしい、心強い真摯なメッセージを、ありがとう。
又メールさせてくださいね。
2012.08.27 23:26 | URL | 彩子 #- [edit]
彼さんからのメッセージ、息子の言葉でお嫁ちゃんに伝えたいと思います。
本当にありがとう。

そして楽しい時間をありがとう。
2012.08.28 21:01 | URL | 彩子 #- [edit]

○ Post comment


  • 管理者にだけ表示を許可する

○ Trackback

trackbackURL:http://adeirotenfu.blog68.fc2.com/tb.php/422-367adf44